裁判所三回目

 今回で三回目の裁判所です。傍聴のベテランらしき初老の男性たちに、弁護士らしき人が通りすがりに「どーもー」と軽く挨拶をしているのを見かけました。
 一件目は公然わいせつと児童ポルノ画像を他人とやり取りした等です。小学生や中学生狙いの露出狂ですね。会社員の三十代男性。立ちションをした時に女の子に見られて、興奮を覚えたのがきっかけ。「小学生に見せ付けると、素直にびっくりするのが嬉しい」「子供は汚れがなくて良い」
 奥さんが証人に立っていました。子供もあり、息子と今年生まれた娘の二人。
奥さんは前科があるのを知りながら結婚を決めたそう。被告はメンタルクリニックに通っていて性癖を治す努力をしている。奥さんは被害者の両親にむけて謝罪文を書き、被告を監督してゆくと誓いました。奥さんや子供たちにとっては「夫は大切な人です」と。四回目をやってしまったら、離婚すると夫に言ってある。
 弁護人の質問に、被告はとてもキビキビと答えていました。一度目の露出では罰金、二度目では職場に知られてしまいクビになる。三回目の今回は職場には知られていない。娘を今年に入って授かったのは「とても嬉しい」 もしも自分の娘が露出狂に出会ったら「許せない」 「被害者の子には、トラウマを作ってしまい申し訳ない気持ちです」
 メンタルクリニックでは適応障がいと診断され、薬を貰う。携帯で児童ポルノを見てしまうので、フィルタリングをして有害サイトに繋がらないようにした。
 仕事から帰る時には奥さんに電話をして、変な寄り道をできないように時間を管理してもらう。極力、一人では出かけない。
 弁護人に「一生奥さんには頭が上がらないわな」と言われ、力を込めて「上がりません!!」と答えていた。
 検察の女性からの質問には、ドギマギした感じで答える。
 「会社には言っていないで内緒って、悪いと思わないのですか?」と検察の姉さんに言われ「……けれど、今職を失えば妻と子供を養っていけないし……」「悪いとは思っていないんですね?」「え、いや、それは……勿論、申し訳ない気持ちで……」と小声で返答。
 検察は一年六ヶ月の懲役を求刑しました。判決は後日。執行猶予がつかず、懲役に決まってしまえば会社にバレてクビになってしまうんですね。

 以下、私の感想です。この間の痴漢の奥さんも、今回の奥さんもなんで離婚しないのだろう? 前科を知りながら結婚を決めるのだろう? 性癖以外はとても立派な男性なんだろうか? 愛ゆえか、それとも情なのかな? その辺りが、かなり不思議です。
 大変な性癖を持つと、本当に大変だなぁ。 それにしても、病院の先生も大変だなぁ。
 二件目はまた今度書きます。罪状は傷害です。